ミュージカル『梨泰院クラス』の舞台が熱い!原作ファンも唸る見どころを徹底解説

世界中で社会現象を巻き起こした大ヒットドラマ『梨泰院クラス』が、世界初のミュージカルとして舞台上に誕生しました。原作ドラマのファンである私も、このニュースを聞いたときは期待と少しの不安が入り混じっていました。しかし、実際に観劇して、その不安は完全に吹き飛びました。これは単なるドラマの再現ではありません。演劇という新しいフィールドで、力強く生まれ変わった全く新しい『梨泰院クラス』です。

この記事では、原作ファンも演劇好きも満足させるミュージカル『梨泰院クラス』の熱い見どころを、私の視点から徹底的に解説します。舞台ならではの魅力やキャストの熱演、そして原作との違いまで、余すことなくお伝えします。

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ミュージカル『梨泰院クラス』とは?原作ドラマとの違い

ミュージカル版は、ドラマの魅力を受け継ぎつつ、舞台ならではの表現で新たな感動を生み出しています。原作ファンが気になるであろう、ドラマとの大きな違いを解説します。

世界初!演劇として生まれ変わった物語

この作品の最大の特徴は、世界初のミュージカル化である点です。日本の大手エンターテインメント企業である東宝が製作を手掛け、日本、韓国、アメリカの才能あふれるクリエイターが集結しました。

物語の核となる復讐劇や仲間との絆はそのままに、約2時間50分という上演時間に見事に再構成されています。テンポの良い展開で、原作を知らない人でも物語の世界に没入できる脚本は実に見事です。

ドラマのOSTは使わない!完全オリジナルの楽曲

ドラマ版『梨泰院クラス』といえば、Gahoの『始まり』やBTSのVが歌う『Sweet Night』など、数々の名曲OSTが思い浮かびます。しかし、今回のミュージカルでは、これらの楽曲は一切使用されていません。

音楽はすべて、作曲家ヘレン・パークによる完全オリジナルスコアです。これが、舞台版の独立した作品としてのアイデンティティを確立させています。ロック調の力強いナンバーから、登場人物の心情を繊細に歌い上げるバラードまで、どの曲もクオリティが高く、物語を劇的に盛り上げます。

ここが見どころ!ミュージカル『梨泰院クラス』の魅力

私が特に心を掴まれた、ミュージカル版ならではの魅力的なポイントを3つ紹介します。どの要素も、この舞台を唯一無二の体験に昇華させています。

国際的なクリエイティブチームの融合

このミュージカルは、まさにグローバルな才能の結晶です。演出を手掛けるのは、人間ドラマを丁寧に描くことに定評のある小山ゆうな。彼女の演出は、壮大な物語の中に「人の温かみ」を感じさせ、登場人物たちの絆をより深く描き出します。

そして、振付は世界的なコレオグラファーであるカイル・ハナガミが担当しています。ビールケースを使ったダイナミックな群舞は、梨泰院の街のエネルギーそのものを表現しており、オープニングから観客を圧倒します。キャラクターの感情をダンスで表現する彼の手法は、この作品の大きな見どころの一つです。

豪華キャストが織りなす熱演

主人公パク・セロイを演じるのは、WEST.の小瀧望です。彼の持つスター性と、役に没頭する真摯な演技が、不屈の信念を持つセロイの姿と完璧に重なります。

彼を取り巻くキャストも実力派揃いです。特に、物語の鍵を握るチョ・イソ役は、元宝塚歌劇団の和希そらと、歌手のsaraによるダブルキャスト。タイプの違う二人が、それぞれ魅力的なイソを演じきっています。

役名俳優名
パク・セロイ小瀧 望
チョ・イソ和希そら / sara (Wキャスト)
オ・スア梅澤美波 / 川口ゆりな (Wキャスト)
チャン・グンス新原泰佑
マ・ヒョニ土井ケイト
チェ・スングォン吉田広大
チャン・グンウォン秋沢健太朗
チャン・デヒ佐戸井けん太

梨泰院の街を再現した圧巻の舞台セット

舞台上で最も強い印象を残すのが、大小さまざまな可動式の階段で構成されたセットです。このセットは、俳優たちの手によって絶えず動かされ、梨泰院の坂の多い街並みから、刑務所、クラブへと目まぐるしく変化します。

単なる背景ではなく、時には社会的地位の格差を示す象徴として、時には登場人物たちが乗り越えるべき壁として機能します。俳優たちが自らセットを動かす演出は、自分たちの手で運命を切り開いていく物語のテーマと見事にリンクしており、作品に強烈な躍動感と身体性を与えています。

主要キャストのレビュー|メリット・デメリット

ここでは、主要キャストのパフォーマンスについて、私が感じたメリット・デメリットを率直にレビューします。

パク・セロイ役|小瀧望の魅力と課題

彼の演技は、パク・セロイというキャラクターの核を見事に捉えています。

メリット|圧倒的な存在感と演技力

舞台に立つだけで空気を変える存在感は、まさに主人公そのものです。特に、内に秘めた怒りや仲間への愛情を表現する繊細な演技は素晴らしく、観客を物語に引き込みます。振付師からも「スーパースター」と絶賛されるほどのカリスマ性は、彼の大きな武器です。

デメリット|歌唱面の不安定さ

一方で、ミュージカルというジャンルにおいて、歌唱面では課題が残ります。特に第一幕では、声の揺れや音程の不安定さが気になる場面がありました。しかし、彼の演技力とキャラクターへの没入度が、その点を補って余りある魅力を放っていることも事実です。

チョ・イソ役|和希そらとsaraの圧巻のパフォーマンス

物語の推進力となる天才ソシオパス、チョ・イソ。この難役を、二人の女優が見事に演じています。

メリット|作品のクオリティを押し上げる歌と芝居

私が観劇した回は和希そらが演じていましたが、彼女のパフォーマンスは圧巻の一言です。パワフルで安定感抜群の歌唱力、明瞭なセリフ術、そしてイソの持つ知性や大胆さ、脆さまで完璧に表現する演技力は、このミュージカル最大の見どころと言っても過言ではありません。

saraもまた、その美しい歌声で高い評価を得ており、どちらのキャストで見ても満足度の高い体験ができることは間違いありません。

デメリット|特になし

正直なところ、この役のパフォーマンスにデメリットを見つけることは困難です。和希、saraともに、チョ・イソというキャラクターに説得力と魅力をもたらしており、作品全体のクオリティを飛躍的に高めています。

物語を支える実力派の脇役たち

主人公たちだけでなく、脇を固める俳優陣の熱演も光ります。セロイの父親を演じる浅野雅博の優しく温かい歌声は、物語の序盤で観客の涙を誘います。

対する最大の敵、チャンガのチャン・デヒ会長を演じる佐戸井けん太の憎々しいまでの権力者の演技は、物語の対立構造を盤石なものにしています。タンバムの仲間たちを演じる俳優陣もそれぞれが個性的で、彼らの絆がリアルに伝わってきます。

まとめ

ミュージカル『梨泰院クラス』は、原作へのリスペクトを忘れずに、演劇ならではの表現で新たな命を吹き込んだ傑作です。ダイナミックな演出と振付、魂を揺さぶるオリジナル楽曲、そしてキャストたちの熱のこもった演技が一体となり、観る者の感情を激しく揺さぶります。

原作ドラマのファンはもちろん、これまで『梨泰院クラス』に触れてこなかった人にも、自信を持っておすすめできるエンターテインメント作品です。復讐と再生、そして仲間との絆の物語が、生の舞台でどのように輝くのか。ぜひ劇場で、その熱量を体感してください。

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